劇団紹介

日本ろう者劇団40年のあゆみ

昭和55年(1980年)4月、演劇の好きな仲間が集まり「東京ろう演劇サークル」として発足。障害の有無にかかわらず誰もが楽しめるもの、そして視覚的なことに重点をおく演劇作りを目指して活動を開始しました。

その後黒柳徹子現理事長と出会いトット基金の付帯劇団となって「日本ろう者劇団」と改称。手話狂言、創作劇、ムーブメントシアター、サインマイム等劇団独自のレパートリーを持って全国各地を公演しています。

日本ろう者劇団は、聞こえる人も聞こえない人も共に楽しめる演劇を通してより多くの方に手話の魅力と演劇の素晴らしさを伝え広めていきたいと考えています。
膏薬煉
釣針
萩大名

釣針
佐渡狐
仁王

日本ろう者劇団のあゆみ

1980
東京ろう演劇サークルを設立
1982
社会福祉法人トット基金の付帯劇団となり「日本ろう者劇団」と改称
1983
伊・パレルモで開催された世界ろう者会議・演劇祭典に参加。「手話狂言」
1987
第8回松尾演劇賞演劇特別賞受賞 「手話狂言」
昭和62年度文化庁芸術祭賞受賞 「手話狂言」
1988
ハワイ公演 「手話狂言」
「東京国際演劇祭 ‘88池袋」 に参加 「手話狂言」「藪の中」
(アメリカのナショナル・シアター・オブ・ザ・デフと合同公演)
1989
アメリカ・ワシントンDCの“ザ・デフ・ウェイ”に参加
「手話狂言」「ムーブメント・シアター」
1990
第3回池袋演劇祭参加 アゼリア賞受賞 「カスパー伝説」
スペイン日本総合紹介月間に参加 「手話狂言」
1998
国際交流基金の助成を受け、ロシア・ドイツ・ハンガリー公演 (「手話狂言」)
1999
創立20周年記念公演「永遠の一夜」(世田谷パブリックシアター)
平成13年度文化庁芸術祭で「カスパー」(改訂版)の主演・池田大輔が新人賞を受賞
2002
アメリカ・ワシントンDC“デフ・ウェイⅡ”に参加(文化庁委託事業) 「カスパー」「手話狂言ワークショップ」
12月「アジア太平洋障害者の10年」最終年記念の集いで、内閣総理大臣表彰を受ける
2004
オリンピック開催を記念して行われた「ギリシャにおける日本文化年2004」に参加し、
アテネで「手話狂言」の公演を行う。
2005
創立25周年記念公演「ハンナ~もうひとつのナチスドイツの迫害~」 を上演
2010
創立30周年記念公演「エレファントマン」を上演
2013
仏クランドイユ芸術祭に名誉招待国として招かれ手話狂言披露。あわせてロンドン公演を行う。
(文化庁海外芸術交流支援事業/アーツカウンシル東京 東京芸術文化創造発信助成事業) 
2015
手話狂言のローマ・パリ公演を行う(文化庁助成事業)
2022
2021年度第31回催花賞 三宅右近氏と日本ろう者劇団 受賞

劇団員プロフィール(50音順)

五十嵐由美子 (いがらし ゆみこ)

神奈川県出身。
パントマイムに魅せられ独学して数々のアトラクションに出演。1984年、ヨコハマ・パフォーマンス・グループ入団。横浜を中心に活動の後、1987年に日本ろう者劇団に入団。文化庁芸術祭賞の手話狂言や海外公演に多数出演。入団以来各自主公演にも出演。1996年、アトリエ公演デフ・パラダイス「ハンド・プラネット」では初演出。
2022年NHKBSドラマ「しずかちゃんとパパ」出演、2023年テレビ朝日ドラマ「星降る夜に」出演。
劇団員の演技や手話狂言の指導、舞台衣装製作などに実績があり、劇団員養成を担っている。

井崎 哲也 (いざき てつや)   劇団顧問

トット基金 トット文化館手話教室講師 スペシャルアドバイザー 東京ホワイトハンドコーラス指導担当
佐賀県出身。東京教育大学付属聾学校卒業。1979年、日本・東京パントマイム研究所でパントマイムを習い、1980年には「東京ろう演劇サークル」(1981年に「日本ろう者劇団」に改称)の設立に参加する。1982年よりアメリカ合衆国のプロろう者劇団「ナショナル・シアター・オブ・ザ・デフ」のメンバーとして1年半参加した後、日本ろう者劇団に復帰する。NHK教育テレビジョンの手話講座番組「NHKみんなの手話」に、講師として出演していた他、1995年日本テレビのドラマ「星の金貨」の手話指導も手がけた。2009年の映画『ゆずり葉・-君もまた次のきみへ-』には、全日本ろうあ連盟の大川事務局長役で出演している。
現在、「エル・システマジャパン」がすすめるコンサートにおいて、スペシャルアドバイザーを務め、「ホワイトハンドコーラス」を指導している。

五日市 十夢 (いつかいち とむ)

2023年1月 国立能楽堂にて「千切木」自主公演初舞台デビュー。

今井彰人 (いまい あきと)

群馬県出身。
2009年入団、「観客席」でデビュー。2009年「群馬フェスティバル」出演。2010年NHK「みんなの手話」に出演。2010年創立30周年記念公演「エレファントマン」出演。手話分析、ろう文化、演劇、ひとり旅行が趣味で、「演劇の世界でトップになる」ことが将来の夢である。

江副悟史 (えぞえ さとし) 劇団代表

東京都出身。
2008年に入団。2008年トット文化館祭り「休憩」にて初デビュー。手話狂言や自主公演などに出演。2010年3月までNHKこども手話ウィークリーのキャスターを務める。映画「獄に咲く花」で杉敏三郎役を演じる。現在、俳優、手話弁士、キャスターなど幅広く活動中。東日本大震災を通してボランティアを集め、情報格差を埋めるためにDNNを設立(現在休止中)。

數見 陽子(かずみ あきこ)

和歌山県立和歌山ろう学校卒業。上京して千葉ろう者劇団九十九(つくも)入団。退団後フリーの活動を経て、2002年手話狂言「仁王」で手話狂言の初舞台を踏み、日本ろう者劇団入団。2003年「お初」以降の各公演に出演。
2011年「迷宮の写楽」で初の演出・脚本を担当。以後2012年「小次郎×武蔵」共同演出、2016年「清姫道成寺」2018年「武士道ノ心(しん)」演出・脚本。2014年度「座・高円寺劇場創造アカデミー」第6期聴講生。 

小泉文子 (こいずみ あやこ)

東京都出身。
芝居好きの母の影響で、子供の頃から舞台に憧れる。「第一回ろう演劇セミナー」で日本ろう者劇団の存在を知り、代表の米内山からの手紙で入団を決意。1986年手話狂言「しびり」のシテで初舞台を踏む。以後、手話狂言、創作劇出演のほか、自ら演出を手掛けたひとり芝居やコントを上演。コメディーからシリアスまで幅広く演じて現在に至る。

鈴まみ (すずまみ)

東京都出身。
1996年入団。同年アトリエ公演「デフ・パラダイス」でデビュー。手話狂言、創作劇に多数出演。2003年から2005年まで制作も担当。外部出演では1998年イスパシオ「乗合馬車のキップ」、2000年みずノ卵公演vol3「コクトーの遺言」、2002年風の市プロデュース・シアターX提携公演「雨月」、2002年演劇企画室千里魚眼「アルトーの黙示録」他、2010年劇団しゅわえもん「ブンナよ、木からおりてこい」2011年「あらしのよるに」、2019年濃淡公演VOL.01に参画。2020年全日本ろうあ連盟創立70周年記念映画に出演。座・高円寺劇場創造アカデミー第12期生卒。

砂田アトム(すなだ あとむ)

愛媛県出身。デフファミリー。
県立松山ろう学校小学部の時から演劇に興味を持ち舞台に立つ。1999年「カスパー」以降、「永遠の一夜」、「ある砂の家族」、「翼のない天使」に客演。2002年手話狂言「鐘の音」初舞台とともに入団。2003年~2010年各自主公演に出演。劇団外でも映画、舞台、テレビ、ビデオで活躍している。現代劇・時代劇・コメディーなどジャンルは幅広く、舞台監督や舞台美術もこなし、イラスト個展も開催。2013年仏クランドイユ演劇祭招待作品「アトムのひとり芝居」は世界各国からの参加者で大盛況、国際的にも活動の幅を広げている。

田家佳子 (たいえ よしこ)  聴者

北海道出身。
1995年入団。同年「デフ・パラダイス」でデビュー。1996年より各自主公演出演(2005年「ハンナ」演出助手)。地方公演小作品「ムーブメントシアター」多数出演。手話狂言「茸」「六地蔵」等、立衆役出演。役者である傍ら必要に応じて手話通訳も務めている。

中江 央 (なかえ なかば)

演劇を見て、主役ではなく脇役の演技に心揺さぶれて、2009年入団を決意。2010年、劇団創立30周年記念公演「エレファントマン」出演。手話狂言および創作劇において、名脇役ぶりを発揮している。

渚 香織 (なぎさ かおり)

東京都出身。
東宝㈱日本劇場「日劇ダンシングチーム」出身。女優、ダンサー、モデル。幼少時に事故で難聴になる。1998年米内山氏と出会い「ろう演劇」に興味を持ち入団。2002年より劇団内で衣装、きもの着付けを担当し、2004年「おりょう」で龍馬の母役で初舞台。以後各自主公演に出演。衣装、剣劇指導、振り付け担当のほか、日舞、洋舞、タップの指導も行なっている。2006年日劇閉館25年特別公演「日劇2006」にろうプロダンサー渚香織として出演。2008年「病は気から」では振付を担当した。

長谷川 翔平 (はせがわ しょうへい)

茨城出身。

2018年に入団。手話狂言の手話表現の魅力に惹かれて入団に至る。
トットARTSフェス2019「梟山伏」デビュー。以降、「六地蔵」「口真似」「弓矢太郎」に出演。

廣川 麻子 (ひろかわ あさこ)

東京都出身。
小学校時代に難聴児の劇団「エンジェル」で活動、演劇に親しむ。東京都立駒場高校演劇部に入部。和光大学在学中の1994年、日本ろう者劇団に入団。同年12月「鏡の月の庭園」でデビュー。手話狂言、創作劇など多数出演。劇団内では制作も担う。2007年、エイブルアートジャパン主催「日英合同企画 飛び石プロジェクト・血の婚礼」公演に主演。2009年9月より1年間、ダスキン愛の輪基金・29期障害者リーダー育成海外派遣事業生として英国ロンドンに演劇研修。帰国後は「誰でも楽しめる演劇」を目標にNPO法人シアター・アクセスビリティ・ネットワークを設立。平成27年度(第66回)文化庁芸術選奨芸術振興部門文部科学大臣新人賞受賞。

平塚 かず美 (ひらつか かずみ)

東京都出身。
筑波大学付属ろう学校高等部卒。
1980年東京ろう演劇サークルに参加。82年「杜子春」でデビュー。90年手話狂言「釣針」出演後、創立以来の様々な経験を生かし、手話狂言の台本制作、自主公演の演出記録、演出助手などを経て、後輩の指導に当たっている。
2019年に関東ろう連盟女性部で「関東ろう連盟女性部50年の歩み」の映画脚本、監督を手がけた。

藤島 奈央 (ふじしま なお)

静岡県出身。
学校法人明晴学園第2期生。静岡県立沼津ろう学校高等部卒業。
幼少期から女優になりたいという夢を持ち高校卒業後に上京。
2017年入団。2018年に「武士道ノ心」でデビュー。

山本 のぞみ (やまもと のぞみ)

青森県出身。
県立青森聾学校卒業。幼少時から演劇に興味を持つ。学生時代に「真夏の夜の夢」のビデオを見て上京を決意。2001年入団。「現幻奇譚」でデビュー。2002年「翼のない天使」以降、「病は気から」「観客席」に出演。2010年制作担当。杉並区JCOMテレビ「ワンポイント手話」に出演。

米内山 明宏 (よないやま あきひろ) 劇団顧問

東京都出身。
ろうの両親を持つ。
東京教育大学(現筑波大学)附属ろう学校美術科卒、日展、光風会など入選多数。アメリカデフシアター・プロフェッショナルスクールに留学。創設時の手話狂言の演技により文化庁芸術祭賞受賞に貢献。池袋演劇祭アゼリア大賞など劇団代表として受賞多数。NHK「みんなの手話」元講師。演劇、映画、TVなどの手話指導、手話監修も多く、「プライド」「手話は語る」など著書多数。俳優、演出家、手話弁士。

池田大輔 (いけだ だいすけ)

東京都出身。
1987年入団。ムーブメントシアター「海の世界」、手話狂言「牛盗人」でデビュー。2000年文化庁芸術祭参加作品「カスパー」の演技により新人賞受賞。外部の劇団、演劇、ダンスグループからも招かれ出演多数。またイスパシオ(ユニットプロデュースグループ)を主宰、あらゆる身体表現に果敢に挑戦し、「残像のなか」「注文の多い料理店」「乗合馬車のキップ」等多くの出演・演出作品がある。

現在休団中。

RIHO (りほ)

長崎県出身。
大分県立聾学校卒業。1996年入団。同年「デフパラダイス」でデビュー。1997年「デフトピアの幻想」、1999年「カスパー」、2000年「永遠の一夜」、「葉月物語」、2001年「チェンチ一族」による「ある砂の家族」に出演。品のある個性的な演技力を持つ。


現在休団中。

玉城 康裕(たまき やすひろ)

京都府出身。
2000年入団「ある砂の家族」でデビュー。
「現幻奇譚」「翼のない天使」「第1回手話狂言 初の会 六地蔵」「曽根崎心中 お初」「おりょう」「改訂版 観客席」「第34回手話狂言 初春の会 首引」に出演。
その他に「怒れる9人のろう者」「八月の櫻」にてスタッフ協力。

現在休団中。

有澤智子 (ありざわ ともこ)

東京都出身。
芝居が好きで、表現力を養うため2005年に入団。2008年「病は気から」で初舞台。劇団の会計担当。2009年「観客席」出演&制作担当。2006年サイン アート プロジェクト.アジアン主催「Call Me Hero」にバックダンサーとして出演。他に「とりあえずバー」「とりあえず病院」出演。


現在休団中。

古河 俊之(こが としゆき)研修生

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